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フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病の治療方法は、「化学療法」「分子標的治療薬(グリベック® )」「造血幹細胞移植」が中心となり、このほか、治療による副作用の軽減や合併症の対処を目的とした「支持療法」などが行われます。そして、治療方法の選択については、患者さんの病態や状況に応じて検討されます。
化学療法は、化学療法薬(抗がん剤など)によって白血病細胞を殺し、その増殖を抑えることで、白血病細胞を減少させます。しかしながら、その作用は、白血病細胞のみならず正常細胞にも影響を及ぼすため、いろいろな副作用が起こります。そのため、化学療法では、数種類の薬を用い、効果の増強とともに、副作用の軽減を図っていきます。
なお、化学療法で用いられる薬剤の多くは、主に点滴によって投与されます。
異常なフィラデルフィア染色体からは、異常なBcr-Ablタンパクがつくられ、これにエネルギーが加わることで、白血病細胞は増え続けます。分子標的治療薬であるグリベック® は、Bcr-Ablタンパクをターゲットとして作用し、細胞を増やす指令をストップさせることで、白血病細胞を減少させます。
造血幹細胞移植は、通常の何倍ものの化学療法薬(抗がん剤)を投与するとともに放射線療法を行って白血病細胞を破壊した(前処置)後、健康な方の造血幹細胞を移植して、骨髄の造血機能を回復させる方法です。
造血幹細胞移植は、高い効果が期待できる治療手段です。
しかしその一方で、この治療法を行うためには、HLA(白血球のタイプ)が一致する造血幹細胞の提供者(ドナー)が必要なこと、年齢制限、そして身体の状態などの条件をクリアする必要があったり、また移植後においても、GVHD(移植片対宿主病:移植した細胞が宿主側(患者)の細胞を「異物」として認識して攻撃してしまうこと)がおこる危険性や再発の可能性があり、治癒する可能性は35~65%との報告※もあります。これらの理由から、造血幹細胞移植は化学療法を行った後、患者さんの病態や条件などを見極めながら施行が検討されます。
種類としては下表のようなものがありますが、このほか移植前の前処置を行わずに移植するミニ移植という方法もあります。
| 骨髄移植 | 骨髄から採取した造血幹細胞を移植 |
| 末梢血幹細胞移植 | 腕の血管から採取した造血幹細胞を移植 |
| さい帯血移植 | 赤ちゃんとお母さんをつなぐ、へその緒や胎盤の血液(さい帯血)から採取した造血幹細胞を移植 |
※Snyder DS et al.: Leukemia 1999; 13: 2053-2058 Dunlop LC et al.: Bone Marrow Transplant 1996; 17: 365-369 Stockschlader M et al.: Bone Marrow Transplant 1995; 16: 663-667 Cornelissen JJ et al.: Blood 2001; 97: 1572-1577 Sierra J et al.: Blood 1997; 90: 1410-1414
支持療法は、治療によってあらわれる副作用の軽減や、白血病による合併症の対処などを目的として行われる治療です。主な内容としては、感染症対策、出血対策、貧血対策、悪心・嘔吐・消化器症状の緩和などがあります。
ドナー
患者さんのHLA(白血球のタイプ)と一致する方が造血幹細胞の提供者(ドナー)となることができます。HLAが一致する確率は、兄弟姉妹がもっとも高く、4人に1人の割合です。次にそれ以外の家族ですが、これらでHLAが一致する人がいなければ、骨髄バンクに登録して全国から探します。
フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病の治療方法は? グリベック®併用化学療法とは? フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病治療の進め方と目指すところは? 治療中に注意することは?