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CMLでは脾腫や白血球増多により様々な症状がみられますが、慢性期には生命を脅かすほどのものではなく、薬物療法で白血球を正常範囲にコントロールすることが可能です。条件を満たせば、造血幹細胞移植による治癒も期待できます。
しかし、いったん、急性転化すると、薬物療法に対する反応性が非常に悪くなり、移植による治療成績も低下してしまいます。
したがって、CMLの治療においては、早期に診断をつけ、慢性期に徹底した治療を行って、急性転化への移行を防ぐことが大変重要となります。
いわゆる抗がん剤を投与する方法です。CMLにおいて著明に増加した白血球数と脾腫のコントロールのために、1960年代からはブスルファンが最も有効性の高い経口薬として広く世界的に使用されていました。1980年代になり、ブスルファンより副作用が少なく効果も優れた薬剤として、ハイドロキシウレアが汎用されるようになりました。これらの薬剤はいずれも、白血球数と脾腫のコントロールには優れた効果を発揮し、90%以上の例で白血球数が正常に戻ります。しかし急性転化への移行を防止することはできず、数年のうちに急性転化期に移行します。
造血幹細胞移植療法は、通常の化学療法の何倍もの抗がん剤を投与する超大量化学療法と放射線照射により骨髄を破壊し、正常細胞も白血病細胞もすべて根絶した後、正常な造血幹細胞を骨髄中に移植して骨髄機能の回復を図る方法です。
造血幹細胞は骨髄中にあるので、以前は、ドナーは麻酔を受け骨髄から造血幹細胞を採取しなければなりませんでした(骨髄移植)。しかし最近では、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を投与することにより、造血幹細胞が骨髄から末梢血中に大量に流れ出てくることが分かり、成分採血により造血幹細胞を簡単に採取することができるようになりました(末梢血幹細胞移植)。
造血幹細胞移植療法は、現時点では、完全治癒が期待できる唯一の治療法です。早期に移植を行った方が成績がよいことが分かっています。
非血縁者間造血幹細胞移植
現在は骨髄バンクが設立され、肉親以外の人からHLA型の適合する造血幹細胞の提供を受ける、非血縁者間造血幹細胞移植も可能になりました。最近では、HLAをDNAレベルまで調べて合致させることにより、血縁者間同種造血幹細胞移植に近い成績が得られるまで改善しています。しかし、急性のGVHDは約24%と高く、移植関連死も血縁者間の造血幹細胞移植に比べ明らかに多いのが現状です。
慢性期に行った50歳以下の非血縁者間造血幹細胞移植では、5年生存率が56%(日本骨髄バンク)と報告されています。また、移行期になってからの非血縁者間造血幹細胞移植も、慢性期に比べ生存率にそれほど大きな差はないこともわかりました。したがってインターフェロン-α(後出)で効果がみられるうちはインターフェロン-αによる治療を行い、治療効果がみられなくなった時点で非血縁者間造血幹細胞移植を行うという方法が採られています。
インターフェロン(IFN)は、生体の細胞がさまざまな刺激によって分泌する天然の蛋白質で、α、β、γ型の3種類がありますが、造血器腫瘍に対する作用が認められているのはα型のみです。
IFN-αは、注射薬で、早い場合は数ヵ月後から、遅い場合は1~2年後にPh染色体陽性細胞が減少し、15~30%の症例では完全に消失します。従来の薬物療法の場合、50%生存期間は約4年でしたが、IFN-α療法では、Ph染色体が少しでも減少したグループの7年生存率は71%と大幅な生存率の延長がもたらされました。現在、CMLの確定診断後、造血幹細胞移植療法が適応とならない症例では、IFN-α療法が第1選択となります。
ただし、IFN-α療法の問題点として、発熱、体重減少、うつ状態などの副作用のために中止せざるを得なくなる症例が20~30%存在すること、また長期にわたる注射のために自己脱落する例も少なくないこと、などがあげられます。また、IFN-α療法では、効果を維持するためには、IFN-αを注射し続けることが必要であり、本当に治癒が得られるかどうかはまだ明らかになっていません。
慢性期慢性骨髄性白血病の治療
慢性骨髄性白血病治療ガイドライン
移行期および急性期慢性骨髄性白血病の治療
新しい治療へのアプローチ